卒業研究概要(山崎由布・中島わかな)

卒業研究概要

活動量計を用いた日常生活動作の識別可能性の検討

山崎 由布・中島 わかな(岡山大学 医学部保健学科 検査技術科学専攻,2020年度前期+後期)


 慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者の⽇常⽣活における⾝体活動レベルなどを測定することで,COPDの診断や重症度の判定に役⽴てられる可能性があります。この方法において,どの時間にどのような動作をしているかを識別できることにより⾼い精度が得られると考え,本研究では活動量計によって⽇常⽣活動作をどこまで認識できるかを検討しました。腰と腕に活動量計を装着し,機械学習を用いて健常者を対象に9種類の行動の識別の精度を解析しました。

 結果として,腕と腰の両方に活動量計を装着することでCOPDの患者が息切れしやすい行動のうち比較的負荷が大きい動作を含む,仰臥位,歯磨き,荷物移動,階段昇降,歩行,走行の6種類の行動が高い精度で識別できました。また,もし腕のデータについて識別精度をさらに上げることができれば,COPDの患者が息切れすると報告されている食事や椅子から立ち上がる動作,髭剃りや髪の毛をとかす身支度など軽い日常生活動作についても識別できる可能性があります。