卒業研究概要(武田香乃)

卒業研究概要

長期保管血漿検体の品質評価法の検討

武田 香乃(岡山大学 医学部保健学科 検査技術科学専攻,2021年度後期)


 バイオバンクは、医学研究に用いるための血液や組織を臨床情報と共に長期間にわたって保管している機関です。しかし、長期保管されている血漿検体の品質が保たれているのかを簡便に確認する方法は確立されていません。そこで本研究では、保管されている血漿検体の品質を評価する方法として、測定結果が安定している臨床検査に注目しました。本研究における品質評価では、保管前と保管後の検査値を比較することで劣化の有無や程度を判断することとします。また本研究では、保管前の検査値として、病院で診療のために測定されていた臨床検査値を用い、保管後の検査値として、外部検査機関で測定した臨床検査値を用いることが可能かを検討しました。品質評価に適した検査項目として選んだ3項目(LD、ALT、UN)の検査値の差が個体内変動や許容誤差範囲に収まるか検討を行いました。この2つの検査値は差が大きいという結果が得られたため、次の研究では、保管前と保管後の検査値として同じ施設で測定されたものを使用した場合にどのような結果となるかを検討します。