卒業研究概要
中江 了(岡山大学 医学部保健学科 検査技術科学専攻,2024年度)
現在の診療における採血には、「採血から診察までの待ち時間の長さ」や「採血を行うためと結果を踏まえた診察のための2度の通院」といった負担が患者さんにかかっています。そこで、私たちは新たな採血制度として「遠隔採血」という制度を提案しています。「遠隔採血」では、患者さんが通院している医療機関とは別の場所(行きやすい場所)で事前に採血のみを受け、診療の前に医療機関へ結果が届けられることで、待ち時間の短縮や通院回数の低減といった患者さんの負担を解消できる制度です。しかし、「遠隔採血」はこれまでにない新しい制度の提案であり、実現させるためには事前に多くの意見を集め、それらを反映する必要があります。そこで本研究では、患者さんの視点から回答を得る「一般向け」と、医師から回答を得る「医師向け」の2つのWebアンケート調査を実施しました。調査の結果、どちらからも、「遠隔採血」に対して期待がもてる多くの肯定的な意見を集めることができました。また、「遠隔採血」の実現に向けて解決しなければならない課題も明らかになりました。「遠隔採血」をよりよい制度にするため、ここで得られた結果を制度の作り込みに活用します。
中江 了, 森田 瑞樹. 遠隔採血の期待と課題に関する医師向けWebアンケート調査. 令和6年度日臨技中四国支部医学検査学会(第57回). 2024/11/03(鳥取), 口頭