卒業研究概要(中土井優真)

卒業研究概要

スピーチ課題における緊張の緩和方法の検討

中土井 優真(岡山大学 医学部保健学科 検査技術科学専攻,2019年度)


 日常において,「人前で話す」という行為は多くの人が緊張を感じる場面だと思います。そこで,事前に簡便・確実な方法で緊張状態を緩和できれば,自分のベストなパフォーマンスを発揮しやすくなると考え,スピーチ課題における緊張の緩和方法の検討を行いました。Apple Watch®「Breathe」アプリと心拍変動バイオフィードバック(HRV-BF)法を用いて42人の健常者を対象に緊張緩和を試みましたが,スピーチ最中の緊張状態を緩和させることはできませんでした。しかし,スピーチ課題は緊張を誘発させることができており,さらに緊張緩和のための深呼吸時にはリラックスさせることができていました。そのため,スピーチ課題がかなり強い緊張を引き起こしていた可能性と,緊張緩和の効果が一過性であった場合,スピーチ課題を行うタイミングまで持続しなかった可能性があると考えました。実験手順を変更して再度実験することで,新たな知見が得られる可能性があると考えています。