修論研究概要(平野和也)
修士論文研究概要
マラソンランナーにおける突然死のリスク管理
マラソンランナーにおける突然死のリスク管理
平野 和也(岡山大学 大学院ヘルスシステム統合科学研究科,2019〜2020年度)
ランニング人口の増加に伴いマラソン中の心停止発生件数も増加することが懸念されています。現在,様々な対策が実施されていますが,本研究では新しい対策としてマラソン中の心電図をモニタリングし,心停止前の心電図異常所見を検出して心停止を未然に防ぐことを考えました。本研究ではTシャツ型心電図計測システムhitoeを用いて心電図を取得し,R波の消失とリズム変動を解析対象の不整脈としました。
実験参加者20名のうち19名からデータが取得でき,そのうち自動解析が可能だった6名分のデータを解析したところ,解析対象の不整脈を複数回確認することができました。また,リズム変動の出現がレース後半に多い傾向が見られ,マラソンでの心停止はレース後半に多いという従来の報告との関連が示唆されました。今後,リズム変動をモニタリングすることが,致死性不整脈の予兆を捉えることにつながる可能性を示しました。
Takahiro Yamane, Kazuya Hirano, Kenta Hirai, Daiki Ousaka, Noriko Sakano, Mizuki Morita, Susumu Oozawa, Shingo Kasahara. Trial of sportswear type ECG sensor device for cardiac safety management during marathon running. Advanced Biomedical Engineering 2022; in press.