卒業研究概要(比嘉梨七・上田伊吹)

卒業研究概要

脈拍数および動脈血酸素飽和度の回復過程を利用した運動耐容能の評価法の検討

比嘉 梨七・上田 伊吹(岡山大学 医学部保健学科 検査技術科学専攻,2020年度後期)


 近年,医療従事者の人出が足りず,他の職種と比べても一人当たりの負担が大きくなってきています。この状況を改善するために,医療現場においても働き方改革が進められ,医療従事者の負担を減らす努力が求められています。そこで,現在医療機関で行われている臨床検査と同等の結果を日常検査でも何らかの方法で得ることができれば,医療従事者の負担軽減につながると考え,その方法を検討しました。

 本研究では様々な検査の中で運動負荷試験に焦点を当て,リカンベントバイクを利用した運動中にパルスオキシメーターを用いて脈拍を測定しました。測定結果を解析した結果,最も負担が軽く運動耐容能を評価できる指標として,中強度で運動を行った120秒後の心拍数回復という指標が得られました。本研究では低強度の運動で評価できるという結果は得られませんでしたが,これは本研究で設定した低強度の心拍数が安静時の心拍数と差が小さく,運動時と安静時を心拍数から判断することが困難であったためと考えられました。この点を改良することで,今後より低強度の指標を発見できる可能性があると考えています。